【突撃!工場見学】第4回 FACTORY900 青山眼鏡 株式会社

2017年07月19日    Category:めがねマガジン , 工場見学

お久しぶりの更新となります!【突撃!工場見学】の第4回となります。

今回は、未来のアイウェアをテーマにしたブランド「FACTORY900」や、

「FACTORY900 RETRO」、「TOKYO HOLIDAYS」などを手掛けている

福井市にある青山眼鏡株式会社を訪ねました!

 

案内してくれたのは、デザイナーであり職人でもある青山嘉道専務と、

デザイナーでめがねミュージアムの営業担当もしてくれている田村洋介さんです。

 

青山専務は、高い技術力を持つOEM(外部ブランド請負生産)工場だった青山眼鏡に、

ここでしか作れないアセテート造形技術を用いた自社ブランド「FACTORY900(ファクトリーキュウヒャク)」を創設し、

ブランドデビューした2000年から今日に至るまで、デザイン監修を務めておられる方です。

※実際の製品を前に、にこやかに語ってくれた青山専務

 

今は福井市に工場がある青山眼鏡ですが、元々の青山家の出所は、現鯖江市の河和田町です。

福井県の眼鏡作りの開祖である増永五左エ門翁とほぼ同時期の明治38年に、

青山彦左衛門さんという方が、東京からめがね職人を呼んで習ったのが始まりだそうです。

しかし彦左衛門は、河和田の郵便局長を兼任しており、正式に局長を引き継いだ明治41年には、

せっかく育てた弟子の職人と眼鏡づくりの道具全てを、自身の従兄弟である増永五左衛門に預け、一度めがね作りから手を引きました。

(増永五左衛門の母は青山家の生まれ)

 

そして時は流れ、彦左衛門の息子の青山勝彦氏が、「父がやろうとしていためがね作りを自分が復活させたい!」という強い思いのもと、

増永眼鏡に弟子入りし、そこでめがね作りの技術を学びました。

そして、新しい技術や道具の開発に携わり、まだ福井では誰も作れるものがいなかったセルロイド製めがねの製造方法を確立したそうです。

1937年に増永眼鏡から独立し、現在の福井市半田町にプラスチックフレーム専門工場として青山眼鏡を創業しました。

今年で80年を数える、歴史のある工場なんですね!現在の福井・鯖江めがね人気を支えるセルフレーム製造の元祖というのがすごいです!

 

二代目社長の恭也氏は、今のFACTORY900のモノづくりにかかせない、「NC切削機」を1970年代のまだコンピュータが一般に普及する前から導入するという、当時のめがね作りの常識からは考えられないことをやってのけました。

いち早く導入した理由として、「レンズをはめ込む溝(ヤゲン溝)を縦軸横軸共に、レンズカーブに合わせて堀りたい」ということがありました。今までの作り方だと横軸は合っていても、縦軸を合わせて掘ることは非常に困難だったそうで、NCによる独自の3次元加工技術がそれを可能にしました。

確かに青山眼鏡製のフレームは、レンズをはめ込むとパチンという音と共にキレイにはまるんですよね。歪みもほとんど出ません!こんな秘密が隠されていたんですね。

そして、その3次元加工を立体造形に応用して作り上げたのが、あの独自の立体的フォルムを持つFACTORY900なんです。

 

三代目社長の陽之さんは、嘉道専務のお兄さんに当たり、学生の頃から父・恭也氏に従事し、3次元加工のシステムエンジニアとして、現在の青山眼鏡におけるめがね作りの核となる技術を担っている方です。5軸マシニングセンタと呼ばれるその加工機械とセッティングは、完全なる企業秘密で、私達も見せてもらうことができませんでした。(というか、恐れ多くて奥までは入れませんでした!)

 

この様な歴史を経て、現在の株式会社青山眼鏡のご活躍があるのですね。

嘉道専務のデザインのこだわりとして、「美しくて、一目見ただけで感動してもらえるフレーム」を目指しておられるそうです。「確かに…!」と頷ける説得力と、異彩を放つフォルムですよね。

↑「FACTORY900 RETRO RF-23」5月に発売したばかりの新型です。
当店にて全色取り揃えております。

 

また、個人的に気になっていたことが、多くのモデルに採用されている青山眼鏡オリジナルの板バネ丁番についてでした。他社の製品に使われている板バネ丁番とは、見た目がかなり違っており、複雑な曲線で構成された模様のようになっています。

↑板バネ丁番パーツの一例

(画像はFACTORY900 TOKYO BASE 長谷川店長のDIARYから拝借しました。)

 

これが、とってもしなやかで掛け心地がふんわりとしており、他のバネ丁番とは一線を画していました。

「見た目に厚みがあって、掛け心地も固いのではないか?」

と最初はFACTORY900を見て思ったものですが、実際に掛けてみたときにとても軽く感じたことを今でも覚えています。

そのことを専務に伝えたところ、次のような説明をしてくれました。

「目指していたのはBOX(コイル)式のバネ丁番の伸び方なんです。BOX式は内部に本物のバネが入っていて、テンプルを広げた時に均一なテンションでバネが伸びていきます。なので、掛け心地がしなやかなんです。それに比べて、一般的な板バネ丁番は弾力のテンションの効き方が均一でなく、テンプルを広げた時、最初は硬くて、徐々に柔らかくなっていきます。これは、簡単に言うとバネが短いからなんです。そこで、一本の長い線を折りたたんだ構造のバネを考えました。これならサイズもコンパクトですし、バネの硬さも一定になります。ステンレス素材で、錆にも強く、取替えが効くというのも利点です。」

な、なるほど~!あの回路のように入り組んだバネの形にはそんな意味合いが込められていたんですね!納得しました。

バネ丁番の組み込みは、田村さんが担当されているようで、机には大量の組み立て前のパーツが並んでいました。デザイナーで、営業マンで、職人の田村さんスゴイ!

 

以上、取り留めのない話となってしまいましたが、青山眼鏡さんの工場見学で学んだことでした。
嘉道専務と田村さん、遅い時間までありがとうございました!
もしこのブログを見て興味を持っていただいた方がいらっしゃれば、ぜひ当店にお越しくださいませ。
ここには書かなかったことも含めて、ご説明させていただきますよ!

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