めがねマガジン

2014.04.09

CATEGORYめがねマガジン , 工場見学

【突撃!工場見学】第2回 株式会社 アサヒオプティカル

このコーナーでは、めがねミュージアムスタッフが福井県内のめがね工場や企業を訪ね、
そこで学んだことや「なるほど!」と感じたことなどをご紹介していきます!
第2回は鯖江でレンズ製造を行っているメーカー
株式会社アサヒオプティカルにおじゃましました。
普段、丸レンズを加工してフレームに取り付けている身ですが、それらのレンズがどのようにして作られているかに興味があったので、大変勉強になりました。
 
1)型づくり
ガラス製の型(モールド)を作る工程です。 人口ダイアモンド製の刃を使ってガラス板を少しずつ削っていき、
度数を決めるためのカーブを付けていきます。ある程度は機械で付けますが、最終的には人の手で微妙なアール付けを行うそうです。
-度数、+度数、乱視度数、球面設計のタイプなどの組み合わせで、無数にあるレンズの全ての型を用意する重要かつ大変な工程です。
見学したときは、「二重焦点レンズ」と言って、近用度数部がドラえもんのポケットの様な形(小玉)になっている、遠近両用のレンズの型を作っていました。
あの小玉の部分もガラスを削ることで作りだしていたんですね!驚きました!
こうしてできた型を表・裏1枚ずつ貼り合わせ、プラスチック原料を流し込むことで、レンズが完成するそうです。
 
2)プラスチック原料の調合・流し込み
型に流し込む為のプラスチック原料を調合している様子も見せていただきました。
真空状態を作り出すためのポンプや、色のついた原料を透明化するため別の色を混ぜる作業など、化学工場のような趣で、やはりフレーム工場とは全く異なる設備でとても新鮮でした。
原料に何をどれくらい使うかの割合で、出来上がりのレンズの屈折率が決まります。屈折率1.50のレンズより1.74の方が薄く仕上がりますが、レンズに黄色みがかかるのは、屈折率を上げるために硫黄を混ぜているからで、レンズ加工機を使用する際に硫黄のにおいがするのは、そのためです。硫黄は原子屈折が大きいので、屈折率を上げるのに適した原料というわけです。
これらの作業はレンズ内に埃が混入することを防ぐため、クリーンルーム内で行われ、入るためには防塵服の着用やエアシャワーを浴びる等の処置を行わないといけないので、外から見学させていただきました。
 
3)型の取り外し・検品
液状プラスチックが型の中で固まったら、それらを人の手で取り外していきます。こうして見ていくと手作業がかなりの割合を占めているのだと分かります。
出来上がったレンズをそれぞれ度数・種類ごとにトレイにしまっていきます。
レンズは見た目だけでは度数や種類が分かりづらいので、入れ間違えなどが起きないよう、最新の注意が必要です。
型外し
出来上がったレンズはそのまま検品部署に回されます。
ここでも人の眼で見て、微細な傷・汚れがないかチェックされます。
ライトの強い光に照らして、一枚一枚丁寧に検品されていました。
眼が疲れそう…。ブルーライトカットレンズが必要ですね!
検品
検査工程は女性の方が多く働いておられました。
このほか、受注センター内や、営業部も拝見させていただきました。
海外にも販売されているそうで、英語が堪能な方も多くおられるそうです。
 
まとめ
今回初めてレンズ工場というものを見させていただきました。フレーム工場が職人の作業場だとするなら、レンズ工場は化学研究所といった印象!まるで違った雰囲気に驚かされました。フレーム工場で使われる材料はすでに固体となったものを切削加工していくのに対し、レンズ工場の場合は液体を調合し、プラスチックを原料から作っていくというところが大きな違いでした。レンズ作りには原料を混ぜ合わせるための化学的知識や、望む度数を生み出すための光学的知識などが必要で、非常にインテリジェンスな業種であると感じました。
鯖江には数少ないレンズメーカーなので、アサヒオプティカルさんにはこれからもたくさんのレンズを作り続けて欲しいですね!
それでは、また次回♪

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