めがねマガジン

2021.12.03

CATEGORYめがねマガジン , 工場見学

【突撃!工場見学】第8回  株式会社 マコト眼鏡

「突撃!工場見学」、コロナ禍でなかなか見学にも行けなかったため、久しぶりの更新となりました。

今回の工場見学はマコト眼鏡にお邪魔しました。

めがねミュージアムの数あるブランドの中でも根強い人気の「歩」の秘密に迫ります!

 まずは増永昇司 社長から、めがね産地・福井の歴史と、「歩」にも使われているセルロイドをはじめとするプラスチック素材とプラスチックフレームができるまでのプロセスを教えて頂きました。プラスチックフレームの代表的な素材、セルロイドとアセテートの違いやなかなか聞けない裏話など、貴重なお話を聞かせていただきました。

 

 さて、これを踏まえていよいよ実際の工場の様子を見学!

職人さんが切削機械を巧みに操作して、内径・ヤゲン溝・外形がみるみるうちに出来ていきます。

(実際に商品となるフレームは自動切削機を使用しますが、主にサンプル等がこの方法で作られるそうです)

 

また、テンプルに刻印を入れる作業を体験させていただきました。

テンプルをしっかり指で押さえて、ペダルを踏むとテンプルが上がって刻印が入ります。これを2回繰り返し。

社長の「失敗したら1本2万円」におっかなびっくり……

無事に刻印が入りました!

こうしてみるとあんなに緻密に作られたフレームなのに、その工程は意外にもアナログなものばかり。生地の状態・気候……etc.一筋縄ではいかない繊細で複雑なフレーム作りは職人の長年の経験と勘無しには作れません。

 

再び社長のありがたいお話です。続いては「歩」のこだわりについて熱弁を振るっていただきました。

誕生から今年で21年目を迎える「歩」ですが、「歩」が生まれた2000年代といえばプラスチックフレームの生産は安くて大量生産が可能な中国へシフト、日本は生産量が減少し、「鯖江は死んだ」とさえ言われていた時代でした。そんな安価な中国製品に技術で対抗しようと誕生したのが「歩」です。「安価な大量生産品よりも高くてもいいのも・メイドインジャパンを」そんな現代の価値観に「歩」はマッチし、誕生以来変わらず愛されるブランドになりました。

「歩」は福井のめがね・日本のものづくりの根性によって生まれたブランドなんですね。

 

職人のこだわりが詰まった「歩」、社長から直々に教えていただいたこだわりポイントをご紹介します!

まずは特徴的な鼻パッド。

パーツを溶液で貼り付ける一般的な鼻パッドとは違い、「歩」の鼻パッドは同じセルロイドの欠片を一つ一つ削って作られています。この手間を惜しまず作られた独特なカーブは鼻に点でなく面で当たるので、痛みを感じにくくソフトなかけ心地を実現してくれます。

続いてテンプル。

中芯には錆びにくいチタンやβチタンを使用。さらに合口部分にフタをすることで汗や整髪料が入り込むのを防いでいます。細かなところまで配慮されていますね!

そして充実のサービス。

「気に入ったけれど、鼻パッドが鼻に合わなくてかけられない……」という方のための「鼻盛り」は新たにセルロイドの欠片を貼り付けて鼻パッドを削り直すんです!すごい!

さらに購入から1年後には「磨き直し」が無料で受けられます。買った時の美しいツヤが蘇りますよ!

 

最後に今年新たにマコト眼鏡に入社された塩野さんのお話を伺いました。

「歩」に惚れこみ遥々山形から(!)ここ福井に来られた塩野さん。ほとばしる「歩」愛がひしひしと伝わってこちらも背筋が伸びる思いでした。

今回の工場見学は「歩」というブランドの知識だけでなく、めがね産地の中のフレームメーカーとしての情熱・魂を感じられるものでした。

我々も産地のショップとして、職人・産地の思いをお客様へ届けなければと改めて自覚させられる機会となりました。

 

マコト眼鏡様、ありがとうございました!次回の工場見学レポもお楽しみに!!

 

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